外貨建取引:換算レートはどれを使えばいいの?
2014年06月17日 16:13
日本で作ったスマホアプリが海外で大人気になったり、日本の”かわいい”グッズが世界中で売れたり、アジアの安くていい雑貨を仕入れたり、といった場合、経理処理上必要な請求書や領収書は「外貨建て」になりますね。
日本での記帳・申告は「円」でなければいけないので、では、「いつ」の「どの」レートで換算しなければならないのか。簡単にまとめてみました。
原則は「取引日」における「仲値」で換算
為替レートは銀行のホームページ等で毎日確認することができます。
外国為替公示相場を見てみると TTS(電信売り)TTB(電信買い)TTM(仲値)とレートが3つ表示されています。
TTSは Telegraphic Transfer Selling rate の略で 対顧客電信売相場、例えば円と米ドルの交換の場合、TTSは円を米ドルに換える際に適用される相場
TTBは Telegraphic Transfer Buying rate の略で 対顧客電信買相場、例えば円と米ドルの交換の場合、TTBは米ドルを円に換える際に適用される相場
TTMは TTSとTTBを決定するための基準になる相場で、外国為替市場での銀行取引相場をもとに各金融機関それぞれの基準にしたがって決められます。
…ということは金融機関によって TTM(仲値)が違うってことですね。どの金融機関のを使ってもいいのかしら。
…原則通り処理するには毎日換算しなきゃなの?
TTM(仲値)じゃなくてもいい。
原則は取引日における「仲値:TTM」で換算ですが、継続適用を条件として
売上その他の収益又は資産については取引日の電信買相場
仕入その他の費用又は負債については取引日の電信売相場
を利用することができます。
どの銀行レートを使ってもいいの?
レートは金融機関によって異なりますので、どの金融機関のレートを採用するかも問題となってきます。
今日はA銀行のレート、明日はB銀行のレート、明後日はC銀行のレート・・・これはさすがにダメな気がします。
原則は「主要取引金融機関」のレートを採用して下さい。但し同じ方法で入手した合理的なレートを継続適用している場合にはそれも認められます。
毎日換算しなきゃダメなの?
いや。さすがに毎日換算してたら仕事になりません!という場合は、もちろん一週間とか一ヶ月とかの単位のレートを使うことができます。
これまたすべて継続適用が条件となりますが、
・末日若しくは初日のレート 取引日の前月/前週の末日か、取引日を含む月/週の初日のレート(平均しなくていいので楽ですね)
・前月/前週など一ヶ月以内の一定期間の平均レート
ということで、外貨建ての取引量や換算に要する手間等を考慮してどのレートを使うか決めていただきたいと思いますが、「主要取引金融機関の取引日における仲値」以外を採用する場合は「継続適用」が条件となりますので最初が肝心です。
よくわからないからその都度テキトーにネットで見つけた換算レートを使って処理してた。なんてことがないよう注意して下さい!!