交際費:接待すれば仕事をもらえた時代は終わり

2014年02月19日 16:38

中小企業の交際費定額控除が600万円(10%は損金不算入)から800万円(全額損金算入)になりましたが、だからと言ってジャンジャン交際費を使っていいわけではありません。統計によると日本の1社当たりの支出交際費は全法人の平均が年間226万円で、その内大法人が3,476万円、中小法人は93万円です。

また、企業の交際費は平成4年がピークで6兆2,000億円でしたが平成23年には2兆8,700億円まで下がっています。

接待すれば仕事をもらえた時代は終わってサービスの本質で勝負をする時代なのだと思います。実際私が財務担当として企業に勤務していた時は基本的に交際費禁止にしていました。接待を営業行為と考えるならば「結果」で判断すべきと考えていたからです。接待を通じて契約をクローズし企業の業績が上がった場合に報酬として本人に還元するべきであって「結果」の前の「接待」という行為に係る費用を会社が負担する必要はないと思っていました。更に役員や管理職が交際費を頻繁に使っている会社は全体的に経費に関する意識が緩くなりがちで、またスタッフの士気も低下傾向にあります。

個人事業主や会社の代表が飲食代の領収書を率先して入手し「交際費で処理するから」と言っているのを目にしますが、もちろんその分キャッシュアウトしますし、使ったお金を他の経費と同じく損金にできるだけであって特に得する訳でもないです。税金を払うくらいならその分交際費を使っちゃおうという考えかもしれませんがその意識のせいで結果的にキャッシュアウトが増えてる人も多いと思います。

■ 仮に交際費以外の利益が3,000万円で税率が35%の場合

・交際費800万円使った場合

利益  3,000万円 - 交際費支出 800万円 = 税引前利益 2,200万円  納税額 2,200万円×35% = 770万円   キャッシュフロー 2,200万円-770万円 = 1,430万円

・交際費 ゼロの場合

利益  3,000万円 - 交際費支出 0円 = 税引前利益 3,000万円  納税額 3,000万円×35% = 1,050万円   キャッシュフロー 3,000万円-1,050万円 = 1,950万円

上記の通り交際費を使わない方が会社にお金が残ります!

また、設立したばかりの赤字企業や他社から出資を受けているような場合は交際費の利用はなるべく控えた方が良いと思います。私自身お酒を飲むのが大好きですが上記のような理由で飲み代は自腹です。それよりもサービスをより良くすることやそのサービスを1人でも多くの人に知ってもらうことに大事なお金を使いたいものです。